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6月20日 開催
    黒南風の留まるところ鵺の塚 稲福昌一
   紅の花散るを許さず摘まれをり
  踏んづけの戒の解けざる黴の邪鬼
 
      廟所へと五月闇なる石畳 松山寿美
      薫風や高野総門うち仰ぎ
       夏椿今が見頃と一休寺
 
    あめんぼに鋼の如き水面かな 西村舟津
      燭捧ぐ堂の霊狐の五月闇
     短夜の瞼しばたく宿直かな
 
     滴れる音のみ聞ゆ拝所かな 林 雄次郎
   払暁のしじまを破りほととぎす
     花栗の匂ひがどっと厨まで
 
   咬みさうな犬の貌出す葦簀かな 野田ゆたか
    刻なしの声張りあげて羽抜鶏
    水位計沈めて雨後の簗瀬かな
 
・・・・・ 選者 西 ア 佐 知 詠 ・・・・・
 
   清流に涼をもらひて橋に腰
  田を植ゑて条理正しき里となる
  赤錆の船曳かれゆく梅雨の河
 
 
  
黒南風の俳句 黒南風の留まるところ鵺の塚 稲福昌一。紅花の俳句 紅の花散るを許さず摘まれをり 稲福昌一。邪鬼の黴の俳句 踏んづけの戒の解けざる黴の邪鬼 稲福昌一。五月闇の俳句 廟所へと五月闇なる石畳 松山寿美。薫風の俳句 薫風や高野総門うち仰ぎ 松山寿美。夏椿の俳句 夏椿今が見頃と一休寺 松山寿美。水馬の俳句 あめんぼに鋼の如き水面かな 西村舟津。五月闇の俳句 燭捧ぐ堂の霊狐の五月闇 西村舟津。短夜の俳句 短夜の瞼しばたく宿直かな 西村舟津。滴りの俳句 滴れる音のみ聞ゆ拝所かな 林雄次郎。ほととぎすの俳句 払暁のしじまを破りほととぎす 林雄次郎。栗の花の俳句 花栗の匂ひがどっと厨まで 林雄次郎。葭簀の俳句 咬みさうな犬の貌出す葦簀かな 野田ゆたか。羽脱鳥の俳句 刻なしの声張りあげて羽抜鶏 野田ゆたか。魚梁瀬の俳句 水位計沈めて雨後の簗瀬かな 野田ゆたか。涼の俳句 清流に涼をもらひて橋に腰 西ア佐知。植田の俳句 田を植ゑて条理正しき里となる 西ア佐知。梅雨の川の俳句 赤錆の船曳かれゆく梅雨の河 西ア佐知。2009年(平成21年)6月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。