d1.gif d2.gif d3.gif
3月21日 開催
     蜆舟はるか暮色の中にをり 松山寿美
     我が狭庭牡丹七つの蕾抱く
      春水や水琴窟の音研ぎぬ
 
     参籠の修二会の僧の破紙衣 西村舟津
        雪柳風に蠢く紐の如
  花の色溶けむばかりに咲くミモザ
 
        産土の杜の奥行紅椿 門田窓城
       国宝の城に孤高の初桜
    陽炎を背に野佛の立ちて座す
 
      残雪の峠歩荷の一人越ゆ 稲福昌一
     黄沙降る空へ火を噴く桜島
      漂へる憂ひも気品享保雛
 
    春雨にけぶりて丸き三輪の山 林 雄次郎
    暖かや鼻の欠けたる野の地蔵
   うとまれて追はるる猫や春寒し
 
     黄沙降る蔀閉ざして閻魔堂 野田ゆたか
     ぬば玉の闇を深めて御水取
   出づ地虫すぐには行方定まらず
 
・・・・・ 選者 西 ア 佐 知 詠 ・・・・・
 
  霞む街視野にひき寄せ着陸す
  地虫出づ再びかへらざる穴を
  修二会僧紙衣の破れ誇りとし
 
 
  
蜆舟の俳句 蜆舟はるか暮色の中にをり 松山寿美。牡丹のつぼみの俳句 我が狭庭牡丹七つの蕾抱く 松山寿美。水琴窟の春水の俳句 春水や水琴窟の音研ぎぬ 松山寿美。修二会の紙衣の俳句 参籠の修二会の僧の破紙衣 西村舟津。雪柳の俳句 雪柳風に蠢く紐の如 西村舟津。ミモザの花の俳句 花の色溶けむばかりに咲くミモザ 西村舟津。産土の紅椿の俳句 産土の杜の奥行紅椿 門田窓城。城の初桜の俳句 国宝の城に孤高の初桜 門田窓城。陽炎の俳句 陽炎を背に野佛の立ちて座す 門田窓城。残雪の俳句 残雪の峠歩荷の一人越ゆ 稲福昌一。黄沙降る桜島の俳句 黄沙降る空へ火を噴く桜島 稲福昌一。享保雛の俳句 漂へる憂ひも気品享保雛 稲福昌一。春雨の俳句 春雨にけぶりて丸き三輪の山 林雄次郎。暖かの俳句 暖かや鼻の欠けたる野の地蔵 林雄次郎。春寒しの俳句 うとまれて追はるる猫や春寒し 林雄次郎。黄沙降るの俳句 黄沙降る蔀閉ざして閻魔堂 野田ゆたか。御水取の俳句 ぬば玉の闇を深めて御水取 野田ゆたか。地虫出ずの俳句 出づ地虫すぐには行方定まらず 野田ゆたか。霞む町の俳句 霞む街視野にひき寄せ着陸す 西ア佐知。地虫出ずの俳句 地虫出づ再びかへらざる穴を 西ア佐知。修二会の俳句 修二会僧紙衣の破れ誇りとし 西ア佐知。2009年(平成21年)3月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。