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		     秋水や水琴窟の音を研ぎぬ 松山寿美
  
		    手に採りて不意の軽さや烏瓜
  
		     十三夜雨戸二枚開けてあり
  
		  
		
  
		      川絞りたる焦点に下り簗 稲福昌一
  
		    蘆の間を音を立てずに水馴棹
  
		     霧荒び来て漁火の景閉ざす
  
		
  
		       秋深む白鳳仏の彫の翳 門田窓城
  
		     点綴の撓み重ねて式部の実
  
		     海照りを橋に返して島蜜柑
  
		
  
		      人拒む黒部の峡や秋深む 西村舟津
  
		    ゴンドラの視界を奪ふ霧の海
  
		      散居村屋敷を囲む稲の波
  
		
  
		    声止んで佳境に入りし松手入 林  
		雄次郎
  
		   風たちて多弁となりし尾花かな
  
		    寺の名の駅に降りたつ柿の秋
  
		
  
		     一献を良薬として重九かな 野田ゆたか
  
		 この通草ジャンプをすれば届くはず
  
		   ゆく秋の空はどこかに雲を置く
  
		 
  
		・・・・・ 選者 西  
		ア 佐 知 詠 ・・・・・
  
		
  
		  田を終ふ煙おちこち暮の秋 
  
		  穴まどひ後ろ姿に怖さなく
  
		   天平の礎石を沈め草紅葉
  
		
  
		  
		 
  
		 
  
		  
		  
  
		
	 
	
	
	
		秋の水の俳句 秋水や水琴窟の音を研ぎぬ 松山寿美。烏瓜の俳句 手に採りて不意の軽さや烏瓜 松山寿美。十三夜の俳句 十三夜雨戸二枚開けてあり 松山寿美。下り魚簗の俳句 川絞りたる焦点に下り簗 稲福昌一。蘆の俳句 蘆の間を音を立てずに水馴棹 稲福昌一。霧の俳句 霧荒び来て漁火の景閉ざす 稲福昌一。秋深しの俳句 秋深む白鳳仏の彫の翳 門田窓城。式部の実の俳句 点綴の撓み重ねて式部の実 門田窓城。蜜柑の俳句 海照りを橋に返して島蜜柑 門田窓城。秋深むの俳句 人拒む黒部の峡や秋深む 西村舟津。霧の海の俳句 ゴンドラの視界を奪ふ霧の海 西村舟津。稲の波の俳句 散居村屋敷を囲む稲の波 西村舟津。松手入れの俳句 声止んで佳境に入りし松手入 林 雄次郎。尾花の俳句 風たちて多弁となりし尾花かな 林 雄次郎。柿の秋の俳句 寺の名の駅に降りたつ柿の秋 林 雄次郎。重九の俳句 一献を良薬として重九かな 野田ゆたか。通草の俳句 この通草ジャンプをすれば届くはず 野田ゆたか。行秋の俳句 ゆく秋の空はどこかに雲を置く 野田ゆたか。暮の秋の俳句 田を終ふ煙おちこち暮の秋 西ア佐知。穴惑いの俳句 穴まどひ後ろ姿に怖さなく 西ア佐知。草紅葉の俳句 天平の礎石を沈め草紅葉 西ア佐知。2007年(平成19年)10月の同人俳句結社「木津川俳句会の月例句会の開催報告です。句会同人は、有季定形・文語(旧仮名遣い)を以て伝統的手法で俳句を詠んでいます。管理人は、清月庵主・野田ゆたかです。