表参道の正面は南総門で通り抜けると白砂の境内に朱造りの綺羅びやかな楼門が廻廊をつないで聲え立つ。
その奥が御本殿であるが今は、修復中の為ここで参拝する。静かな境内に拍手が響く。心中より厳かな気分になる。
石清水八幡宮の御祭神は、中御前が譽田別尊、即ち応神天皇。西御前は比淘蜷_。東御前は神功皇后で応神天皇の御母である。
応神天皇は文字を漿励し、殖産興業を盛んにし、数多の池溝を開いて灌漑の便を計り、大船を造られて交通の道をも開かれた。
よって御神徳は厄除開運と共に、我が国文教の祖、殖産の守護神として崇められてきた。
創建は宇佐八幡大神の御託宣によって六宇の宝殿を建立し、西暦859年三所の神璽を奉安せられたのが起原であると略記は記している。
現在の社殿は寛永8年三代将軍家光公の造営、落成になったもので輪奐の美を極むと、尚本殿、弊殿、舞殿、楼門、廻廊、武内杜は重要文化財の指定を受け、特に本殿の雨樋は黄金樋と称し、織田信長の寄進によると略記にあります。
男山中腹に湧く岩清水 徹
詣で遣緑陰つづき坂がかり 寿美
滴りの音を訪ねて竹の径 雄次郎
男山八幡宮と云えば竹であり、エジソンである。表参道の南総門の点前を少し下ると、ちよっとした広場があり、すぐのところはボーイスカウト顕彰碑で、奥まった処に眞っ黒の石の横広のエジソン碑が、若竹の明るい早緑の林を背に建っている。
横文字の英文と日本語で「発明は1%の霊感と99%の努力から成る」と刻まれている。
発明王エジソンが炭化木綿糸による炭素フィラメント電球を発明したのは879年で、ほぼ40時間程しかもたなかった。
当時としては画期的な長時間であったが、更なる改良に努力し、さまざまな材料で実験を重ねた。
世界各地に人を派遣して最良繊維を探し求め、日本にはムーアと云う人が来られて、さまざまな種類のさまざまな成長期の竹が送られた。
その実験の結果、この男山の眞竹が最高との結果で折紙がつき、この竹をフィラメントに使った電球は約千時間輝き続けたと報告されている。
その後1894年にセルローズにより新しいフィラメントが発明されるまで、約10数年間この男山の竹が逢かアメリカの家庭や職場、街頭を明るく照らしていたのです。誇らしい実績ではありませんか。
エジソンの碑辺に撓みし今年竹 ゆたか
山法師咲きて煤めくエジソン碑 不二子
万緑に黒光りしてエジソン碑 宮子
散策の最後の鑑賞は山法師で、少し離れたエジソン碑の前の緑陰のベンチが恰好の遠見席であった。
昼食と句会場は清峯殿で、神官の研修センターでもあるらしい。食堂へ出向くと若い神官と同室で、セルフサービス、静かで厳かささえ感じさせる。
昼食が終れば食器類を静かに返却して句会場へ、会議室で、机椅子が整然と並べられてあった。
締切時間が近づくと、何時もの通り雰囲気が張り詰める。句会は、場所柄か、何時もより緊張している感じで、先生の指導や句評の声も凛としてよく通り良い句会を終える事が出来ました。
多くの御参加、種々御協力厚く御礼中し上げます。
次回も又よろしく。
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