白鬚神社吟行記
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平成17年3月13日  足立靖子
 引鶴の吟行が3月に湖西の地、白髪神社であると聞いていましたので参加を楽しみにして居りました。
 
 吟行の前日12日は寒波の襲来により雪が降りしきり寒い一日でしたので、明日の吟行は大丈夫かと心配でした。
 
 幸い当日に雪はやみ周囲は雪化粧となりましたが、時折太陽も顔を出すという天気に少し安心しました。
 
 泉大津の方々は予定より早く白髪神社に到着した模様で私達今津の5人は大阪からの引鶴句会のメンバーを迎えるべく近江高島の駅へ車で集合しました。
 
 予定より5分遅れて快速が到着しましたので挨拶もそこそこに4台の車に分乗して、約3.5キロメートル南の白髪神社へと向かいました。
 
 昨日の雪で湖中の鳥居をはじめ神殿の屋根や木々、大注連に雪があり、美しい白髪神社の吟行となりました。
 
 ここで白髪神社の由緒を紹介します。祭神は猿田彦命。
 
 古くから延命長寿・長生きの神様として知られ、また、縁結び・子授け・開運招福・学業成就・交通安全・航海安全など、人の世の営みごと、業ごと、すべての「みちびきの神」としても世人から厚い信仰の誠が捧げられています。
 
 謡曲「白髪」は当社の縁起を謡ったものです。又、毎年9月5・6日社の大祭には、無事な成長を祈る「なるこ参り」の神事は有名で、この神事には、近郷の人はもとより京都・大阪をはじめ全国から参拝者があります。
 
 湖中の大鳥居や老松を背にした社殿は「近江の厳島」といわれ、琵琶湖の名所であり、境内には紫式部、松尾芭蕉、与謝野鉄寛・晶子の碑が建立されています。
 
 白髪神社を詠んだ歌句
 
  しらひげの神の御前にわくいづみこれをむすべば人の清まる
                                              与謝野鉄寛・晶子
 
  三尾の海に綱引く民のひまもなくたちゐにつけて都恋しも  紫式部
 
  四方より花咲きいれて鳰の海  松尾芭蕉
 
 白髪でおよそ45分位句作りをしたでしょうか。次に向かったのは、神社から徒歩約20分鵜川48体石仏群です。
 
 旧西近江路のゆるい坂道を、右に琵琶湖を跳めながら登りました。前日の雪で木から落ちる雪を時々頭に受けながら石仏群に浄土世界へと誘われたようでした。
 
 この石仏は天文22年(1553年)に近江半国の守護職で、観音寺城主であった佐々木六角義賢が亡き母(呉服御前)の菩提を弔うために弥陀の48願に因んで建立したと伝えられています。
 
 現在は、33体であるが、もとは6体ずつ8列に並んでいたようです。12体はいつの代にか大津市坂本の慈眼大師の廟に移され、2体は昭和62年」(1987年)に盗難にあいました。
 
 石仏はいずれも定印を緒んだ阿弥陀如来の坐像で、全て同一の様式、表情は個性的で、建立者の意志が伝わってくるようでした。
 
 六角氏がこの地に建立したことについては明らかではないが、観音寺城からみて西方極楽浄土にあたるために選んだのであろうと伝えられています。
 
 明治の中頃まで摂取庵と言う小さな堂宇があり、お守りをするお坊さんがいたようです。
 
 昭和36年(1961年)4月26日滋賀県指定史跡に指定されて、傍には銀杏の老大木がそびえ、昔を偲ばずにはいられませんでした。
 
 石仏群で20分程過ごして、元来た道を戻り、昼食そして本日の句会の「ふしみ屋」へと、車を走らせました。
 
 手作りの弁当をいただき、同室での句会が始まり、私を含め3名の者は始めての参加で緊張の連続でしたが、先輩の皆様のおかげで、何とか乗り切れました。
 
 貫野浩先生には、普段から沢山の句を作る事、人の句を見る事等の大切さを教えていただいていますが、今回それが実感できました。先生方、皆様の句を見て、聞いて、感激する事ばかりでした。
 
 同じ気持ちを表すのに言葉の使い方、又、工夫でこんなに変化するものかと思います。勉強・経験不足はもちろん感じましたが、それより、私も皆様をお手本に少しでも近づけるようにとの意欲がわきました。
 
 また、西ア佐知先生の温かく、ときには厳しいご捲導と、それを受けておられる皆様の厚い信頼関係が.印象的でした。新米の私達にも励ましの言葉をかけてくださ
 
り嬉しく思いました。今後も貫野浩先生の教えを受け俳句を学ぶ人として生きて行くっもりです。
 
 これからは、湖西の方面にも吟行があると聞いてますので、なるべく参加させて頂きます。皆様有難うございました。これからもよろしくお願いします。
 
 
 
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白鬚神社が紹介されているホームページ 
https://www.travel.co.jp/guide/article/3334/