大津京一円吟行記
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平成21年4月12日  松山寿美
 引鶴恒例の4月吟行は、三春もあとわずか又とない吟行日和にめぐまれた12日であった。湖西線大津京10時佐知先生はじめ参加者全員が揃って、道程2キロを目的地へ向い出発。
 
 今日の吟行には貫野浩先生と奥さまに大変お世話になり、まず奥さまの先達で出発。
 
 駅を出るとかの皇子山運動公園が広々とあり心配した桜はまだ盛りで時々頭に肩に花吹雪をあびながら花屑を踏みながら柳も楓も美しいと賞でながら進みました。
 
駅降りて花人となる歩みかな 佐知
 
 中央辺りに噴水があり壁泉から滝水が勢いよく流され、3体の若人のブロンズ像の前は恰好の憩いの場となっており暫時休息して句帳にメモとる人作句する人美しい景色に一行の歩みが止り勝でした。
 
大津絵の店をのぞきて花の昼 寿美
 
 長等山を前方に眺めながら長い列になりながら左に伝統芸能会館など眺めつつ円満院の門前を通り過ぎると急に観光客が多くなったと思った所が三井寺の仁王門である。
 
 園城寺の仁王門(国重文)は入母屋造、檜皮葺の上品な桜門であるがその前の大桜が時々吹雪いていてその美しさに一斉に歓声があがる。
 
花吹雪舞ひし有情の社かな 寿美
 
 私など生きていてこそと倖せを感じました。三井寺を今日は遠拝みして歩を進めました。仁王門から総門までの参道に出店があり品々の上に花が散り句材になるなあ…と思いつつ門を出る。
 
三井寺を遠拝みして花の昼  寿美
 
 山並びに三尾神杜があり卯年生まれの守護神であるとか、お印なるものすべてに兎が用いられている。
 
 鳥居を入るとすぐ淡いピンクの石楠花が咲いていて本殿の隣の杜では朱の鳥居より高く濃紅色の石楠花が咲き美しく写真をとる人、句帳にぺンを走らせる人と一時にぎやかな杜になっていました。
 
石楠花や色薄らぎて朱の鳥居 雍子
 
 神杜を後に少し歩くと水音がして琵琶湖琉水である。差し出した桜並木が美しい。土手には紫の花、タンポポの黄と花吹雪の絶えない景色に詩心句心を昂ぶらせて一行の歩みも止まりがちである。

散りつぎて落花明るき水面かな  窓城
 
 琵琶湖琉水は第一・第二とあり並行して大津から京都に流れている。
 
 三保ヶ崎が取入口で開門・整水門から三井寺観音堂下の長等山トンネルを経て山科で地上に出、さらに日ノ岡山トンネルを通り蹴上で賀茂川と合流し宇治川に注いでいる。
 琵琶湖琉水は取入口から蹴上まで約12キロに及ぶ運河で色々な歴史を径て生活用水、水車動力、水運の3つを目的として江戸時代明治初期から始って明治45年(大正元年)の完成と云う。
 
花筏ととのはずまま琉水急 寿美
 
 北國橋から琵琶湖を眺め橋下の一つの水門が閉じていた橋を渡り再び琉水に添い長等山トンネルの所から左へ行くと今日の句会場となる長等神社に到着した。
 
甲羅干す亀に落花のしきりなる 寿美
 
 朱の美しい楼門に立ちふりかえると参道が真っ直ぐ、途中石の鳥居が聳え立っていた。
 
 由緒書によると天智天皇が長等山岩倉に須佐之男大神を祀ったのを起源とし、さらに貞観2年円珍が園城寺の守り神として祀り天喜2年庶民の参詣の便宜のため長等山から現在地に遷したとある。
 
落花舞ふ天智五年を守りし宮 窓城
 
 現在の建物は寛文4年と慶安2年に増改築され、楼門は明治38年に完成し、室町様式にのっとった様式で大津市指定文化財となっている。
 
 楼門を入ると楓の若葉が美しく枝を広げ大前には花は小粒ながら八重の枝垂れ桜が大きく枝を広げてまこと美しくこの社の要となっている。
 
蒼穹に楓の花の濃かりけり 寿美
 
 又本殿壇の摂杜には三尾神杜に優るとも劣らぬ石楠花が咲き名草もいろいろ植えられ、芽吹くもの咲くもの等季題も豊富であった。
 
そぞろ歩す春光眩し亭午かな 寿美
 
 句会場の杜務所は、木の香もするかと思う程新しく。句座から庭を眺めつつ楓桜をめでつつ句会が始まり選句に迷う力作に緊張の時間でした。
 
花吹雪くあるとは見えぬ風に乗り 佐知
 
 和気謁々のうちに句会も進み佐知先生の名口調の句評を頂き盛会裡に終りました。有難うございました。
 
 芽吹くもの咲けるもの百花繚乱に酔いしれた一日でした。浩先生奥様には句友一同心よりお礼申し上げます。
 
 佐知先生はじめ先生方にはいろいろご配慮いただき本当に有難うございました。
 
 
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三井寺が紹介されているホームページ
https://miidera1200.jp/