パナヒルズ大阪吟行記
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平成17年4月10日  西村舟津
 4月10日、例年になく遅れた桜も開花し今日は絶好のお花見日和。
 
 朝の気温の予報に服1枚を脱いで出発、梅田から阪急、南茨木駅にてモノレールに乗換て字野辺駅に降り立つ。久し振りに乗る高架の車窓からもビルの間に間に白く桜が見えた。
 
 10時に総員19名、遠く滋賀の浩氏、由美さん、又ご近所の卯生さん、みのるさんには早くからお待ちを頂くなどして換拶を交わし、モノレールの駅を下りる。
 
 さてパナヒルズとは如何なるものや、誰も知っている人もいない。標に従い高架を離れ大きな建物を抜けると後は宅地化に残った穏やかな野道に春の日差しが眩しい。
 
 行く程に桜の花に包まれた大きな建物が見える。紛れもなく目的地だった。
 
 道が坂がかりになった、今を盛りと咲き誇.る万朶の桜を見上げ又見下ろしながら、耳にテニスコートの音が弾んだ何時の間にかパナヒルズの敷地の中に入っていた。
 
 知る人ぞ知る、ここは松下電器健康保険組合の保養所である。
 
 千里の丘陵に大松下が誇る都市型リゾー.ト、ゆとりある大小の会議室、宿泊、宴会場、結婚式場、レストラン等々で、野外にはプール、テニスコート、ゴルフ練習場、駐車場を備えた実に立派な施設である。
 
 そしてそれを飾るアブローチの見事な桜。道は坂をなし美しき落花を道の辺にとどめている。
 
 碧い空を覆へるげに夥しき頭上の花よ。ただし暖かき日は噎せむばかりぞ手には腕ぎし花衣小高きにうち登り又褒ぬる眼下の桜パナヒルズ。
 
 
 遠くに生駒の山並みが霞の中に薄れ、千里丘陵を飲み込み都市化された街並が埋まっている。
 
 春の日差しは遍く碧いプールとコートに降り注ぎ眼にも眩しい。
 
 陽光に爛漫と輝き今を盛りと桜は咲いている。静かな朝の気が支配して街騒は此の丘にまで届かない。
 
 聞こえるのは諸鳥の声にコートの球音、そして真下のゴルフの練習音ぐらいだ。切り株に坐り一休みすれば一ひらと又一ひらと散る桜を避けて丘を下る。
下にパナヒルズが建っている。
 
 地下2階、地上7階の建屋、今日の句会場である。客室84、集会人員600名、結婚式場チャペルも完備する上質な館。先ず1階のロビーに腰を下ろし句を推敲する。
 
 コーヒーブレークしながら寛げる人も、程なく昼食、レストラン棟にてミニ松花堂を頂く。句会場はエレベーターで3階の離れの西館、途中館員の語で屋上の桜も良いと。早速昇る。
 
 7階の宙まで届き花びらが舞っているあてもなくさ迷う花の行方を追う、句友を呼ぶ、見下ろす下に先刻眺めた桜が白く覆い盛んに散っていた。
 
 道路の落花が風に流れている。一面に小紋散らしの模様に見える。
 
 句会は1時半締め何時もの様に苦しかった、皆さん即吟の名手、時間通りスタート、主宰の懇切丁寧な指導で今日の良き花見句会を締め括られた。
 
 ご苦労様でした。