長居公園・植物園吟行記
haidan-06.gif haidan-05.gif
平成17年7月10日  大畠宮子
 梅雨末期各地の豪雨に心傷める日々のつづく7月10日、昨夜の雨も上り、梅雨曇りとは云え薄日もさしてくる吟行となり、ほっと致しました。
 
 長居公園は競馬場や競輸場として使われていた時期もありましたが、昭和34年から本格的な造成、整備が始まり、スポーツ公園として生れ変りました。
 
 大別すると、自然園、植物園、スポーツ施設で、長居陸上競技場、長居第2陸上競技場、相撲場、長居球技場、屋内プール、テニスコート、身体障害者スポーツセンター、トレーニングセンタ
 
ー、長居ユースホステル、郷土の森、長居植物園、自然史博物館、花と緑と自然の情報センター等が設けられています。
 
 地下鉄御堂筋線、JR長居駅と交通の便のよい事もあって、広く市民に親しまれ、特にサッカー競技のある日には大変な賑わいです。
 
 古きをたずねますと、昔は大阪湾に近い入江のようなところにあった村のようです。古歌に
 
     きみんよのちとせくらべをせざりせばや
        長為の浦のまつとつるとに(茲鎮 千載集)
 
     すめらぎの長居の池のみづすみて
        のどかに千代のかげぞみえける(常陸、堀川百首)
 
隣接する臨南寺は桃山時代、豊臣氏淀君の祈願所として建立され本尊は釈迦牟尼仏が祀られています。
 
 南門を入り花壇のつづく道をしばらく行くと植物園の入口に当る。ほぼメンバーが揃って中に入る。すぐ緑に囲まれた大池である。
 
 溢れんばかりの蓮で、手を伸ばせは花弁に触れることが出来そう程、咲き満ちている。じっと見ているとはらりと散る。大き.な葉の上に、水面に、萍の上に散っている。
 
 また明日を待つ蕾はしっかりと花弁を閉じ、花の.一切を散らせた花托がうすみどりに少し傾けて揺れている。
 
 水面に泡を浮かせているのは尺余の錦鯉、よく見ると亀も頭を出している。橋の上の人影に集ってくる。
 
 時折の風は葉裏を輝やかせる風情、その果には虹の橋、とりどりの目傘が楽しんで渡っている。その向うを噴水が単純に高さを誇って時に秀をゆらせている。
 
 岸辺を左に沿ってゆくと睡蓮が莫を競って拡がって、緋や白も彩を添へ、松の島を囲っている。木遺を行くと蒲が莫褐色の花穂をつけて、一つの岸の景をつくっている。
 
 コアラの好物ユーカリの木立を抜けると、竹の養生園で、多品種の若竹が風を呼び、さみどりを揺らせて青春を謳歌するかにありました。
 
 ここで又、驚きにぶつかりました。一つは大人の顔ほどもある深紅の大きな芙蓉でそこここに咲き、今一つは真白のエンゼルストランペットで間もなく咲くであろう風情が迫力さえ感じさせました。
 
 暑さの象徴であるディゴも花の盛りで賞でつつ、少し歩き疲れをハーブ園で小休止。ハーブの香を手指に浸たせたと云う友もあって楽しい休憩
 
ではありました。園巡りの最後は虹の橋で、この眺めもまた格別でございました。
 
 園内は四季折々。万緑から薄紅葉、錦織りなす紅葉。冬の訪れは渡り鳥ですし、春は百花繚乱。何時にても楽しい公園です。植物園から球技場2階の句会場へ向う。
 
 聳え立つ競技場や球技場の谷場を縫ってゆくのである。あちこちから歓声やどよめきが伝って来て気分を若くしてくれる。
 
 あまりにも広すぎ、句材の散らばりもあり、郷土の森、自然史博物館等は又の折に。案内不行届の点、大変失礼致しました。
 
 最後に住吉句会、あゆみ旬会、句歴の浅い会員ですが、佐知先生はじめ皆様の御指導を戴き、本日出席させて頂いた事、会員一同喜びと感謝で一杯でございます。
 
 佐知先生、藷先輩、御参加頂いた皆様、本当に有難う、こざいました。皆様の御健吟をお祈り申し上げます。
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
        
長居公園が紹介されているホームページ 
https://www.nagai-park.jp/hanagoyomi/index.html