住吉大社・卯の花苑吟行記
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平成18年5月14日  大畠宮子
 5月14日は、引鶴恒例の吟行会である。天候不順の為心配していた天候も当日は、吟行日和に恵まれ安堵致しました。
 
 住吉句会の方々と誘い合せて、住吉大杜反橋前で皆様をお待ちし予定通り10時には24名全員の顔が揃い、先ずは反橋を渡る。登りよりも下りが怖い。
 
 正面に四角烏居と呼ばれる特有の住吉鳥居で、柱が四角であり陶の扁額が掛けられている。
 
 この鳥居と接している荒忌垣の門を入ると本殿で、奥から縦列に第1、第2、第3本宮、その隣に第4本宮と云うL型配置である。
 
 御祭神は、第1本宮底筒男命・第2本宮中筒男命・第3本宮表筒男命・第4本宮は神功皇后で、新羅御出兵御帰還後、大神の御神託によって此の地に御鎭祭になったのが、この宮の創始であるとの事。
 
 後、皇后をも併せお祀り申し上げ、住吉四社大明神と崇められた。延喜の制では名神大社に列せられ、摂津の国一之宮。
 
 昭和21年まで官幣大社、全国二千に及ぶ住吉神社の総木宮であり、もともと禊祓の神である事から海上安全守護、奈良時代の遣唐使の発遣には、朝廷から奉幣があり海上の無事を祈られました。
 
 その他歌神として古来歌道の上達を志す人が参籠献詠し、産業商業文化貿易の祖神としても仰がれてきている。

  四本宮参拝。恙なく俳句に勤め、励みあふ幸を祈念致しました。 初宮詣や結婚式の御一族もお見掛けし、頬笑ましい風景でありました。

 奥の第1本宮の北側には大阪最古の図書館として有名な2階建土蔵造りの住吉御文庫があり、更に本宮裏の森の中には2棟の板校倉造の御神宝を収納している高庫がある。室町時代の建築物で府の文化財に指定されている。
 
 ここまで来ると、何事かと思う程の初辰さんと書いた幟の奥に、小さい社があって、よく見るとお稲荷様で、正式の名称は楠君社(なんくんしゃ)と云う。
  ※楠君社の君は当て字です。正しくは第4水準文字で「王偏に君」と書きます。
 
 驚きは御神木で樹齢約千年の夫婦楠で随分と伐られた跡があるが立派な若芽若葉で、夫婦相和しての繁栄を象徴している。商売繁盛を願って毎月始めの辰の日には多数の参詣者で賑わうそうである。
 
 皆様早速に句帖を手にそれぞれ作句にいそしんで居られました。
さてお目当ての卯の花苑へ、入口手前の急拵えの舞台では、鉦、太鼓を響かせて、卯の花まつり奉納子供獅子舞やひょっとこ踊が子等によって演じられていました。
 
 しぱらく椅子に腰して楽しませて頂きました。
 卯の花苑はこじんまりと整理され入口右に「すみよしの中ふしでなびく松風にうらなみしろくかくるうの花」光台院親王歌碑。
 
 白やピンクの花の咲きっぎ散り敷くを、句を忘れ一巡目は花、香りを賞で、二巡目に句帖を開きました。
 
 箱根卯木、姫卯木、梅花卯木等々、苑の中央あたりに風情の端折傘が二本、しばし香に浸り、引寄せたり、香を散らせたり。ほぼ揃ったところで佐知先生を中央にハイチーズ。
 
 卯の花苑の入口前には後醍醐帝の御車返しの枝垂桜がある。今は花は葉となって居ました。神苑を出てすぐ目につく所に少し大きな常夜灯があり、池の林泉に芸事の御神徳のある浅沢神社がある。
 
 杜殿の周りには今を盛りと杜若が美しく古代紫を競って居ました。余談ですが生前の大屋政子さんは、毎月、初辰の日に御神酒をお供へされていたそうです。
 
 ふたたび神苑に入り御神田へ、冬草をつけたまま掘り起され、黒々と土が返されて居ました。御田植神事は6月14日です。
 
 反橋を後にし南海本線のガードをくぐり、西に一直線の石畳、遠く住之江の津までが汐掛道と伝えられています。昔の面影はなく、芭蕉翁の句碑が道の辺にあって「升買うて分別かはる月見哉 芭蕉」とある。
 
 この道は舟人や渡航者らの参道であったもので、黒松の名勝として知られていたものです。現在はその名残として僅かに残っている。
 
 又両側には古びた高灯篭が残っているが住吉家の寄進と言う。又内部は第1、第3日曜日に公開されています。
 
 この住吉公園は、大阪府で最も古く、その昔は住吉大社の馬場で、遠く万葉集には「住之江の岸の松が根打ちさらし寄りくる波の音の清しもがある。
 
 高灯篭を遠見して、それぞれ昼食をすませ、公園体育館の句会場へ集って1時40分の〆切に備へました。
 
 住吉よりの新会員ともども、佐知先生、諸先輩に御指導を受け、楽しい一日を皆様と過させて頂きました。厚く御礼申し上げます。
 また多数の御参加有難うございました。 
 
 
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住吉大社を紹介されているホームページ
 
https://www.sumiyoshitaisha.net/