靱(うつぼ)公園吟行記
平成17年5月8日 水野良子
両園とも夜はライトアップされ、春は桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は落葉、日向ぼこと四季を通じ、読書や思索を練る人達が訪れ、大都会の眞中にあって、かけがえのない存在となっている。
外側にはお酒落なレストラン、ブティック等、種々色々あって、大阪の住みたい居往空間としてスポットを浴びているとも云われています。
尚、この公園はもともと戦時の戦火延焼防止地帯として空地が作られ、戦後は進駐軍の小型飛行機の滑走路となっていたものである。
浪花筋を挟んでテ二スコートのある西園には、入口のすぐ側に小さな御社がある。楠が御神体で注連縄が張られ、時折外側の鳥居から拝んでいる人を見かけます。
この楠平神杜の敷地は、江戸時代土佐藩蔵屋敷が近かったこともあり、数々の海産物の市場としても靱の中心を成していたと云われ、荷場浜として賑わっていたそうです。
テニスコートは14面あり、有名な施設です。今日も若人からお年寄りまで真っ白いテニスウェアで楽しんでいる情景は羨ましくもあった。時折の歓声が谺している。、
園の西出入口(あみだ池に面した方)には、広くはないが日本庭園があり四阿、石組の作り滝もあってその流れには菖蒲の鉢も入れてあります。ここもまた、四季折々目を楽しませてくれます。
今回吟行は申し分のない薔薇日和となり、遠くは滋賀の今津の方々、泉大津の皆々様多数の御参加を頂き、感謝感激でした。
幸せの風と思ひし薔薇の園 良子
末尾となりましたが佐知先生の懇切な御指導、諸先撃にはいつも御協力頂き、とても楽しい吟行の一日でありました事、深く御礼申上げます。
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靱(うつぼ)公園のホームページ アドレス
5月8日の吟行に合せたかの様に、待望の薔薇園の花が咲き始めほっと致しました。
昨年からのリニューアルで、一際明るく如何にも都会的なセンスの親しみのある公園に生れ変りました。
広さは6万5千平方米。四ツ橋線本町、中央線阿波座駅から何れも徒歩2分位です。
冬場は殺風景でしたが春先に入ると、培養土を入れるトラックが連日出入して土壌改良がなされました。
3月中旬には芝生も定着して、移植された薔薇も芽を吹き、徐々に育ってゆくと共に蕾が見え始め、次第々々に大きくなつてゆくのを日々つぶさに見せて頂き安堵致しました。
丘の上より階段牡に煌めきつゝ落ちる滝、薔薇園の眞ん中を流れゆくせせらぎ、刻をおいて、一定のリズムの中に噴き上げる噴水、小さなロードが八方に拡がる。
何10種類もの名を持つ薔薇のアーチの続く小高い丘へ登ると、雷薇園が一望出来る。
園の周りの高層ビルが見えて来て、耳を澄ませば微かに街騒を威ずる程度である。
素はとても静かで、せせらぎも小鳥達が数羽集って啼きながら水浴びに余念のない愛らしい仕草を見せてくれるのに出会った事もしばしばで、何時間もベンチに座って過ごせる空間でありました。
吟行当日は、薔薇もその他の花も咲き、老若男女、家族連が三々五々、ペットも多く賑わい、水辺では子供達がはしゃいで、都会人の心の拠り処、憩いの場そのものでした。
隣接する森林公園は、大樹の新緑が例えようもなく、清々しく柔かな日の斑を揺らせ、風が吹き抜けて、華やいだ薔薇園とは対照的な静けさであり、森林浴も楽しめます。
近年災害時の避難所指定があって、工事テントが視界に入り興味をそがれる。しかし今日は、公園名物の家族達れの、全く人と見紛う人形の像も観賞する事ができ、喜んで戴く事ができました。