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10句選 選句者 9人
10句選 選句者 10人
橋 本 幹 夫 選
      柴漬の浅瀬を探す石伝ひ/清水恵山
       柱朽ち寒天小屋の冬構/森戸しゆじ
   様々な顔を寄せ合ひおでん食ふ/瀬尾睦夫
    土佐沖の汐吹きあげる鯨かな/後藤允孝
     連峰に帽子添えたる冬の雲/山口美琴
   みぞるるや歩く人みな前のめり/石崎そうびん
    小春日や石碑に里の謂れあり/筒井省司
    晩秋のロシアのモスク旅の空/池下よし子
      色変へぬ鶴亀松の幹太し/木村宏一
     亀山や湖の果てまで紅葉谷/田村公平
瀬 尾 睦 夫 選
   手習ひの窓辺しきりに柚子匂ふ/池下よし子
    幾重にも積み重なりて橡落葉/清水恵山
  トンネルを抜けてまるごと秋の空/橋本幹夫
     菊人形殿も家来もみな美男/石崎そうびん
   マネキンの帽子俄かに冬めける/田村公平
      高齢者講習終へて冬の雨/筒井省司
      幼子の遊びは夢中暮早し/後藤允孝
      色変へぬ鶴亀松の幹太し/木村宏一
      学童の紅白帽子大根引く/山口美琴
   落葉焚く上に落葉の降り止まず/渡邉春生
池 下 よ し 子 選
      冬晴や浜の朝市下駄の音/木村宏一
    綿虫や缶蹴り遊びせしことも/石崎そうびん
      新海苔の艶も程よき握飯/橋本幹夫
      学童の紅白帽子大根引く/山口美琴
       神渡西へ西へと雲走る/清水恵山
     冬天へ皇帝ダリア風を呼び/筒井省司
   マネキンの帽子俄かに冬めける/田村公平
   けふよりは冬蝶となり低く舞ふ/渡邊春生
      幼子の遊びは夢中暮早し/後藤允孝
  まだ散るを惜しみてをるや返り花/瀬尾睦夫
後 藤 允 孝 選
     冬薔薇耐えて一輪今朝の雨/木村宏一
      吊し柿三川わたる風の色/石崎そうびん
   妖精の目覚めて木の葉時雨かな/橋本幹夫
    身ほとりを綿虫飛べり神の道/池下よし子
     神杉に冬の来たると風騒ぐ/山口美琴
    紐解けば慈愛の句満つ嵐雪忌/清水恵山
    山茶花や雨の重さに散り急ぎ/筒井省吾
    絵灯篭揺れる稲毛の冬ぬくし/田村公平
     冬日濃し巌に老ゆる松の幹/渡辺春生
  つくばいに紅葉ひとひら落ちて冬/瀬尾睦夫
森 戸 し ゆ じ 選
   手習ひの窓辺しきりに柚子匂ふ/池下よし子
    幾重にも積み重なりて橡落葉/清水恵山
  トンネルを抜けてまるごと秋の空/橋本幹夫
      吊し柿三川わたる風の色/石崎そうびん
       石庭の波間彩る散紅葉/田村公平
止む間なく木の葉時雨るる飛騨路かな/後藤允孝
  まだ散るを惜しみてをるや返り花/瀬尾睦夫
    賑はひも去りて広場は秋夕焼/木村宏一
      学童の紅白帽子大根引く/山口美琴
    缶打つて蜜柑の山の猿を追ふ/渡邉春生
清 水 恵 山 選
      色変へぬ鶴亀松の幹太し/木村宏一
    水落ちて石蕗の花影砕きをり/石崎そうびん
      冬耕の田圃に二つ影法師/橋本幹夫
       晴衣の袂揺らしぬ神渡/池下よし子
     静かなる里を見渡し山眠る/山口美琴
    山茶花や雨の重さに散り急ぎ/筒井省司
    草紅葉踏んで釣り人竿を振る/田村公平
     冬日濃し巌に老ゆる松の幹/渡辺春生
      幼子の遊びは夢中暮早し/後藤允孝
  まだ散るを惜しみてをるや返り花/瀬尾睦夫
山 口 美 琴 選
   手習ひの窓辺しきりに柚子匂ふ/池下よし子
       神渡西へ西へと雲走る/清水恵三
     赤飯の上手に炊けて神送る/橋本幹夫
      吊し柿三川わたる風の色/石崎そうびん
       石庭の波間彩る散紅葉/田村公平
    山茶花や雨の重さに散り急ぐ/筒井省司
      幼子の遊びは夢中暮早し/後藤充孝
  まだ散るを惜しみてをるや返り花/瀬尾睦夫
    賑はひも去りて広場は秋夕焼/木村宏一
   けふよりは冬蝶となり低く舞ふ/渡邉春生
木 村 宏 一 選
   水落ちて石蕗のの花影砕きをり/石崎そうびん
      冬耕の田圃に二つ影法師/橋本幹夫
   手習ひの窓辺しきりに柚子匂ふ/池下よし子
      学童の紅白帽子大根引く/山口美琴
    幾重にも積み重なりて橡落葉/清水恵山
    小春日や石碑に里の謂れあり/筒井省司
   マネキンの帽子俄かに冬めける/田村公平
     冬日濃し巌に老ゆる松の幹/渡辺春生
止む間なく木の葉時雨るる飛騨路かな/後藤允孝
  まだ散るを惜しみてをるや返り花/瀬尾睦夫
筒 井 省 司 選
    青竹に干されし大根悩ましく/駒田暉風
  トンネルを抜けてまるごと秋の空/橋本幹夫
  まだ散るを惜しみてをるや返り花/瀬尾睦夫
    真つ先につつく蒟蒻おでん酒/池下よしこ
   途中下車することは無し神の旅/石崎そうびん
    旅人の踏みかためゆく落葉道/後藤充孝
      冬耕は男ひとりや黙々と/山口美琴
    山茶花の紅が優しき垣根かな/田村公平
      冬晴や浜の朝市下駄の音/木村宏一
   車道まで黄色に染めて銀杏散る/清水恵山
石 川 順 一 選
       神渡西へ西へと雲走る/清水恵山
     コーヒーの香り漂ひ冬温し/同
     律すると思へば楽し冬安居/同
      学童の紅白帽子大根引く/山口美琴
     神杉に冬の来たると風騒ぐ/同
     焼鳥の垂れを小指に詰将棋/橋本幹夫
   タオル蒸して寝癖を直す一葉忌/同
     団栗の顔それぞれに輝けり/筒井省司
   振り向けば白き穂高や冬に入る/後藤允孝
    草紅葉踏んで釣り人竿を振る/田村公平