12-c-05
[季節] 仲冬を主に三冬(12月を主に11月から1月)地理季題
[季題] 山眠る(やまねむる)
[副題] 眠る山(ねむるやま)
中国の漢詩集「臥遊録」に「春山澹冶而如笑(春山淡冶(たんや)にして笑うが如く)/夏山蒼翠而如滴(夏山蒼翠にして滴が如く)/秋山明淨而如粧(秋山明淨にして粧ふが如く)/冬山慘淡而如睡(冬山惨憺として眠るが如し)」とある。
この詩の一節「冬山惨憺として眠るが如し」からとった季題。
冬の山を「眠(睡)る」と比喩的に擬人化した言葉。
眠るから生気をなくし枯色から無彩色となり或いは雪山となつてあたかも眠っているように静まっている山を連想させられる。
同漢詩から「山眠る」のほか、次の季題が生まれている。
※「山笑う」(春山澹冶而如笑)←仲春(3月)を主に三春
※「山滴る」(夏山蒼翠而如滴)←仲夏(7月)を主に三夏
※「山粧う」(秋山明淨而如粧)←仲秋(10月)を主に三秋
山眠るの俳句 清月俳句歳時記12月の地理俳句のページです。例句は、芭蕉のほかは現在活動中の有季定形・伝統的俳句作家の皆様の俳句から抽出しています。編者野田ゆたかは、平成22年1月現在、ホトトギス及び未央で指導を仰ぐとともにインターネット俳句「清月」を主宰しています。 [季節] 仲冬を主に三冬(12月を主に11月から1月) 地理季題 [季題] 山眠る(やまねむる) [副題] 眠る山(ねむるやま) 中国の漢詩集「臥遊録」に「春山澹冶而如笑(春山淡冶(たんや)にして笑うが如く)、夏山蒼翠而如滴(夏山蒼翠にして滴が如く)、秋山明淨而如粧(秋山明淨にして粧ふが如く)冬山慘淡而如睡(冬山惨憺として眠るが如し)」とある。この詩の一節「冬山惨憺として眠るが如し」からとった季題。 冬の山を「眠(睡)る」と比喩的に擬人化した言葉。 眠るから、生気をなくし枯色から無彩色となり、或いは雪山となつてあたかも眠っているように静まっている山を連想させられる。 同漢詩から「山眠る」のほか、次の季題が生まれている。 ▼山笑う(春山澹冶而如笑)←仲春(3月)を主に三春 ▼山滴る(夏山蒼翠而如滴)←仲夏(7月)を主に三夏 ▼山装う(秋山明淨而如粧)←仲秋(10月)を主に三秋 山眠るの俳句 眠る山宇治十帖の古墳抱き 西ア佐知 山眠るの俳句 十五萬石城戴きて山眠る 門田窓城 山眠るの俳句 山峡の晴定まらず山眠る 松山寿美 山眠るの俳句 月揚げて無音の世界山眠る 宇都宮美智子 山眠るの俳句 湯煙をふところに山眠りけり 若林柾矢 山眠るの俳句 廃校となりし母校の山眠る 長嶺 勇 山眠るの俳句 松越しに借景の山眠りおり 中山泰山 山眠るの俳句 コバルトの湖を抱きて山眠る 水野良子 山眠るの俳句 二重三重重なる里の山眠る 加藤哲夫 山眠るの俳句 み熊野の山眠りそむ古道かな 東 嘉了 山眠るの俳句 啄木の墓ある山も眠りけり 和泉清一 山眠るの俳句 盛衰の歴史を秘めし山眠る 川上真太郎 山眠るの俳句 旅疲れ癒す足湯や山眠る 吉本昌女 山眠るの俳句 眠る山巡らせこけし挽く部落 山口丘刀 山眠るの俳句 こもりくの視野の隈りの山眠る 大畠宮子 山眠るの俳句 バス停の標識残り山眠る 長田穂峰 山眠るの俳句 熊除けの鈴の音遠し山眠る 戸本文雄 山眠るの俳句 完成のダムを抱へて山眠る 杉山春萌 山眠るの俳句 衣脱ぎし山々ひたと眠りゆく 野田ゆたか