12-a-05
[季節] 仲冬(12月) 時候季題
[季題] 師走(しはす/しわす)
[副題] なし。
旧暦12月の異称。
現在では新暦の12月の異称としてそのまま使われている。
一般的には何時も悠然としている師匠までも走り出す月という人間味のあるユーモラスな季題である。
その由来は坊主(師)が走り回るほど忙しくなるからと言われているが伊勢神宮や各地崇敬社の御師(神宮大麻・神札を配る祈祷師)達が各家庭を巡る事からともいわれている。
年の瀬の慌ただしさを感じさせる。
師走の俳句haiku saijiki 清月俳句歳時記/野田ゆたか編の12月の時候俳句のページです。例句は、芭蕉のほかは現在活動中の有季定形・伝統的俳句作家の皆様の俳句から抽出しています。編者野田ゆたかnoda yutakaは、平成24年1月現在、ホトトギスで指導を仰ぐとともにインターネット俳句「清月」を主宰しています。[季節] 仲冬(12月) 時候季題[季題] 師走(しはす/しわす)[副題] なし。陰暦12月の異称。現在では新暦の12月の異称としてそのまま使われている。一般的には何時も悠然としている師匠までも走り出す月という人間味のあるユーモラスな言葉である。 その由来は坊主(師・師には、僧侶の意味もある)が走り回るほど忙しくなるからと言われている。 また伊勢神宮や各地崇敬社の御師(神宮大麻・神札を配る祈祷師)達が各家庭を巡る事からであるとも云われている。 年の瀬の慌ただしさを感じさせる。<例句>・臘月の俳句 中々に心おかしき臘月哉 松尾芭蕉・師走の俳句 空魚籠を提げて師走の圏外に 西ア佐知・師走寄席の俳句 守り来し浪速の話芸師走寄席 村上唯志・京の師走の俳句 招き立ち京に師走を引き寄せり 稲福昌一・道頓堀の師走の俳句 蛸焼の列の道頓堀師走 門田窓城・師走の俳句 垣越しに聖書説く人師走かな 松山寿美・師走の俳句 引鶴の百八十号を祝ぐ師走 土井木賊・黒門の師走の俳句 黒門の客になりたる師走かな 加納幸子・師走の俳句 玄関で用事すませて師走かな 岩間れい子・師走の俳句 病み癒えて友にペン執る師走かな 南部静季・師走心の俳句 省略をしながら師走心かな 及川輝子・師走の俳句 街忙しジングルベルを聞く師走 姉歯義ひろ・師走の俳句 墨磨りて師走の刻をみたしをり 杉山春萌・師走の俳句 師走のビル磨く漢の命綱 山本とも江・師走の俳句 荷物持ち妻の後行く師走かな 長尾健二郎・師走の俳句 知らぬ間に歩幅ひろがる師走かな 渡辺伝三・師走のウインドー俳句 老の身も覗く師走のウィンドー 嶋きさ子・町師走の俳句 托鉢の鉦の音めぐる町師走 迫間喜美子・地下街の師走の俳句 地下街へ師走の人となりにけり 池下よし子・街師走の俳句 華やかなイルミネーション街師走 保坂道子・師走の朝の俳句 鷺群るる師走の朝の潮溜まり おおにしひろし・書肆師走の俳句 ジーンズの若者で混む書肆師走 貫野浩・街師走の俳句 街師走喧騒に身を委ねかね 高橋泉也・師走の俳句 人並みに師走の路を急ぎけり 駒田暉風・師走の俳句 すつきりと庭手入れして師走かな 奥野品子・街師走の俳句 せはしくも心浮きたつ街師走 川崎郁子・師走の俳句 宙吊りにビル洗う人師走かな 青木菅子・師走の俳句 師走来て書く事多し農日記 加藤哲夫・師走の俳句 挽き立てのコーヒー買ひし師走かな 加藤美津子・師走の俳句 いくつもの予定の混める師走かな 久保田昌子・師走の俳句 吼犬に追はるるやうな師走かな 野田ゆたか