07-c-03
[季節] 晩夏を主に三夏(7月を主に5月から7月)地理季題
[季題] 滴り(したたり)
[副題] なし。
地中の水が山の崖や岩の間から自然に滲み出て苔などを伝って落ちる雫で清涼感がある。
この涼しさを誘うところから夏の季題となる。
夏の暑い日に山道などを歩いていて木蔭に滴りを見つけると疲れも忘れる思いがする。
滴りは近代以後の季語である。
※ 雨水や水道水が雫となって落下することではないことに注意。
滴りの俳句 清月俳句歳時記/野田ゆたか遍のページです。例句は原則として文語旧仮名遣いで詠まれた有季定型の伝統的俳句を取り上げています。清月俳句会の歳時記 July haiku a glossary of seasonal words for haiku poets noda yutaka/[季節] 晩夏を主に三夏(7月を主に5月から7月)地理季題[季題] 滴り(したたり)[副題] なし。 地中の水が山の崖や岩の間から自然に滲み出て苔などを伝って落ちる雫で清涼感がある。この涼しさを誘うところから夏の季題となる。夏の暑い日に山道などを歩いていて木蔭に滴りを見つけると疲れも忘れる思いがする。滴りは近代以後の季語である。 ※ 雨水や水道の水が雫となって落下することではないことに注意。/滴りの俳句 滴リや女人禁制解かぬ山 山ロ正秋/滴りの俳句 滴りや岩屋の奥の不動尊 西ア佐知/滴りの俳句 比良比叡湖侍らせて滴れる 門田窓城/滴りの俳句 滴りや世界遺産の間歩となる 稲福昌一/滴りの俳句 喘ぎ来て滴り汲みし山路かな 吉井竹志/滴りの俳句 滴りについ歩み来し神の杜 南部静季/滴りの俳句 滴りに遅速の日々のありにけり 土井木賊/滴りの俳句 水軍の拠りし洞門滴れり 西村舟津/滴りの俳句 水神にささやくごとく滴れる 東 嘉子/滴りの俳句 滴ると思ふ辺りの昼の闇 飯岡良一/滴りの俳句 滴れる身延の山の奥昏し 宇都宮美智子/滴りの俳句 滴りや若き空海顕ちませる 岡崎桜雲/滴りの俳句 トンネルの闇に滴る音のあり 長嶺 勇/滴りの俳句 磴なかば巌のしたたり手に掬ふ 高橋泉也/滴りの俳句 洞窟に光る滴りありにけり 辻多津子/滴りの俳句 滴りや彫のうすれし石佛 小笠原ひろみ/滴りの俳句 滴れる坂に苔むす公家の塚 森本順子/滴りの俳句 滴りに一息入れて詣でけり 正木和子/滴りの俳句 秒針の刻める如く滴れり 川上真太郎/滴りの俳句 滴りを受けて苔むす岩となり 瀧尻久美子/滴りの俳句 ひと雫リズム正しく滴れり 梅田澄子/滴りの俳句 滴りの辺り小暗し不動堂 池下よし子/滴りの俳句 滴りを口に含みて合掌す 石崎そうびん/滴りの俳句 一滴の滴りやがて大河なる 後藤允孝/滴りの俳句 一山の滴り巡る鍾乳洞 田村公平/滴りの俳句 滴りやここに始まる水の旅 本郷智子/滴りの俳句 滴りの静かに濡らす磨崖仏 加藤ひかり/滴りの俳句 立林のビルに構へし山滴る 岸野幸子/滴りの俳句 滴りに廻る水車のゆるゆると 及川輝子/滴りの俳句 滴りの窟に灯明揺れてをり 橋本幸子/滴りの俳句 杉山のあをき滴り化石塚 桜田貞子/滴りの俳句 滴りの横にコップの備へあり 山本宏子/滴りの俳句 滴りのふくらむリズム読みにけり 松宮育子/滴りの俳句 山肌の歯朶震わせて滴れる 新庄一雄/滴りの俳句 滴るるこの山越せば母郷かな 清水恵山/滴りの俳句 秋芳洞入るや太古の滴りぬ 西岡甲子/滴りの俳句 滴りや絶ゆまぬ山の底力 川口善美/滴りの俳句 滴りの男山にて神在はす 川崎郁子/滴りの俳句 滴りを両手で掬ひ含みけり 前川嘉風/滴りの俳句 滴りや縁の欠けたる竹柄杓 足立山渓/滴りの俳句 滴りに始まる水の百選と 大畠宮子/滴りの俳句 滴りや霊気漂ふ修業窟 池田幸恵/滴りの俳句 手にむすぶ源流なりし滴りを 野田ゆたか