06-g-01
[季節] 仲夏を主に三夏(6月を主に5月から7月)植物季題
[季題] 万緑(ばんりよく/ばんりょく)
[副題] 緑(みどり)
木々の緑が深まり見渡す限りの緑をいう。
言葉から漲るような夏の生命力が感じられる。
中国、宋代の文学者王安石の詠柘榴詩のなかの「万緑叢中紅一点」を出典とする季題。
中村草田男が用い一般化した季題。
万緑「万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)」の解釈
あたり一面の新緑の中に赤い花が一輪だけ咲いているという意・多くの男性の中に一人だけ女性がいることのたとえ。
紅一点は多くのものの中にただ一つだけ
目立つものがまじっていることのたとえ。
万緑の俳句 清月俳句歳時記/野田ゆたか遍のページです。例句は原則として文語旧仮名遣いで詠まれた有季定型の伝統的俳句を取り上げています。清月俳句会の歳時記 June haiku a glossary of seasonal words for haiku poets noda yutaka/[季節]仲夏を主に三夏(6月を主に5月から7月)植物季題[季題]万緑(ばんりよく/ばんりょく)[副題]緑(みどり)▼副題の『緑』の例句へ木々の緑が深まり見渡す限りの緑をいう。言葉から漲るような夏の生命力が感じられる。中国、宋代の文学者王安石の詠柘榴詩のなかの「万緑叢中紅一点」を出典とする季題。中村草田男が用い一般化した季題。万緑「万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)」の解釈あたり一面の新緑の中に赤い花が一輪だけ咲いているという意・多くの男性の中に一人だけ女性がいることのたとえ。紅一点は多くのものの中にただ一つだけ目立つものがまじっていることのたとえ。木村宏一氏撮影/吾子の俳句 万緑の中や吾子の歯生え初むる 中村草田男/孔雀の俳句 万緑に居処見せて白孔雀 舘野翔鶴/万緑の俳句 リフトにて浮遊の宙の風みどり 村上唯志/弥陀の俳句 万緑や大和は弥陀のたなごころ 門田窓城/楼門の俳句 万緑の景を俯瞰の楼門に 西ア佐知/万緑の俳句 万緑や消えずの灯守る燈籠堂 松山寿美/万緑の俳句 万緑を抜け出て弾む流れかな 岡崎桜雲/エジソンの俳句 万緑や八幡の竹にエジソン碑 杉林義男/柳生の俳句 剣の里万緑深き大柳生 吉野濃菊/万緑の俳句 万緑の奈良に来て今鹿とあり 土井木賊/万緑の俳句 万緑に名刹の鐘谺して 吉井竹志/石山の俳句 石山の磐万緑の底ひかな 森本恭生/万緑の俳句 鉄橋に万緑の風吹きぬけリ 長嶺 勇/万緑の俳句 万緑の宮に神鶏長啼けり 西村舟津/万緑の俳句 万緑の宮に神事の笛太鼓 伊藤悦子/秘境の俳句 万緑に染まりて浸かる秘境の湯 土井木賊/万緑の俳句 万緑や今日より時を刻む句碑 池末あけみ/吊橋の俳句 吊橋に揺られ萬緑目に眩し 古田香澄/万緑の俳句 万緑の日高路駿馬風を切る 和泉清一/万緑の俳句 万緑や幾つも風の流れあり 森戸しうじ/万緑の俳句 万緑の真つ只中の神の道 高橋泉也/蔵王の俳句 万緑を抜け出し蔵王雪額 山口丘刀/万緑の俳句 万緑の中に鎮もる藩祖廟 姉歯義ひろ/祖谷渓の俳句 祖谷渓の小便小僧万緑に 木村宏一/余震の俳句 万緑の覆ふ道とし日々余震 南部静季/白鷺城の俳句 万緑や位置替へ仰ぐ白鷺城 水野惠以/万緑の俳句 万緑の包みきれざる天守閣 近藤清女/天守閣の俳句 万緑やロープウェーのすれちがふ 杉橋てつ/万緑の俳句 万緑にゴンドラ順に吸ひ込まれ 岸野幸子/浄瑠璃寺の俳句 万緑や屋根すつきりと浄瑠璃寺 石崎そうびん/万緑の俳句 引き絞る弓万緑の中にあり 橋本幹夫/万緑の俳句 万緑の朝の公園吾ひとり 橘川 重/万緑の俳句 白鷺の飛んで万緑深めたり 山本とも江/万緑の俳句 万緑や町中奔る水の音 奥田不二子/万緑の俳句 万緑や風吹く四囲の大気吸ふ 加藤美津子/万緑の俳句 万緑や舟歌流る川下り 稲福昌一/万緑の俳句 万緑裡方丈庵の寂び深む 宇都宮美智子/万緑の俳句 北国の山もいつしか万緑に 古堂周子/万緑の俳句 万緑に負けじと映ゆる朱の鳥居 妹尾紀子/万緑の俳句 万緑の空あをあをと鯉跳ねる 渡邉春生/万緑の俳句 万緑を映して海へ最上川 阿部和雄/万緑の俳句 万緑や靴ぬぎし子を追ひかけぬ 伊藤知子/万緑の俳句 万緑に埋もれ神宮遙拝所 野田ゆたか 野田ゆたか