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[季節] 晩春(4月)         動物季題

[季題] 亀鳴く(かめなく)

[副題] なし。
 
 
 春になると亀の雄が雌を慕って鳴くというが実際には亀が鳴くことはなく情緒的な季題である。
 
 藤原為家の夫木和歌抄にある題詠歌「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなる」という歌が典拠とされている。
 
 春の季題としては古く「亀鳴く」ということを空想するとき浪漫的な興趣を覚えさせられる。
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亀鳴くの俳句 清月俳句歳時記4月の動物俳句のページです。例句は、インターネット俳句清月俳句会の投句及び廃刊俳誌「引鶴」の雑詠句或いは芭蕉俳句などから文語文・有季定形俳句・伝統俳句から抽出しています。編者野田ゆたかは、平成12年6月に、インターネット俳句「清月」を創設主宰し現在に至っています。大阪清月庵・枚方市。京都清月庵・木津川市。参加俳句誌・未央・ホトトギス。noda yutaka haiku[季節] 晩春(4月)動物季題[季題] 亀鳴く(かめなく)[副題] なし。春になると亀の雄が雌を慕って鳴くというが、実際には亀が鳴くことはなく、情緒的な季題である。藤原為家の夫木和歌抄にある題詠歌「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなる」という歌が典拠とされている。春の季題としては古く、「亀鳴く」ということを空想するとき、浪漫的な興趣を覚えさせられる。▼亀鳴くの俳句 亀鳴くや老いゆく憂さを捨てきれず 門田窓城▼亀鳴くの俳句 亀鳴くや弁天堂は朽ちしまま 堀口まゆみ▼亀鳴くの俳句 タイガース負けし朝は亀鳴かず 池末あけみ▼亀鳴くの俳句 古社八幡宮座傾ぎて亀の鳴く 岸野幸子▼亀鳴くの俳句 彼は誰の何処ともなく亀鳴けり 川上真太郎▼亀鳴くの俳句 伝説の鏡池とや亀鳴けり 森本恭生▼亀鳴くの俳句 亀の鳴く静寂寺苑の夕まぐれ 野田ゆたか/亀鳴くの俳句 言問ひの首をもたげて亀の鳴く 高橋泉也/亀鳴くの俳句 入相の鐘鳴り渡り亀の鳴く 田中茂治/亀鳴くの俳句 アンモナイト亀の鳴き声聞いてをり 渡邉春生/亀鳴くの俳句 亀の鳴く弾む足音歩こう会 阿形公枝/亀鳴くの俳句 むなしさを誰に告げよか亀の鳴く 吉田静代/亀鳴くの俳句 亀鳴くや開けてしまひし玉手箱 橋本幹夫/亀鳴くの俳句 亀鳴くや土星に水のあると言ふ 池下よし子/亀鳴くの俳句 亀鳴くや不動に注ぐ水の音 嶋きさ子