04-a-08
[季節] 晩春(4月) 時候季題
[季題] 行春(ゆくはる)
[副題] 春行く(はるゆく)
春がまさに尽きんとするとき。
尽きんとする春を惜しむ心と春を見送る思いがこもった季題。
客観的に表現した「暮の春」とも直接的に心情を吐露した「春惜む」ともニュアンスが異なり「行春」といえば季の移ろう時の流れが感じられる。
行春の俳句 清月俳句歳時記4月の時候俳句のページです。例句は、インターネット俳句清月俳句会の投句及び廃刊俳誌「引鶴」の雑詠句或いは芭蕉俳句などから文語文・有季定形俳句・伝統俳句から抽出しています。編者野田ゆたかは、平成12年6月に、インターネット俳句「清月」を創設主宰し現在に至っています。大阪清月庵・枚方市。京都清月庵・木津川市。参加俳句誌・未央・ホトトギス。noda yutaka haiku [季節] 晩春(4月)時候季題[季題]行春(ゆくはる)[副題]春行く(はるゆく)春がまさに尽きんとするとき。尽きんとする春を惜しむこころ、春を見送る思いがこもった季題。客観的に表現した「暮の春」とも、直接的に心情を吐露した「春惜む」とも、にユアンスが異なり、「行春」といえば、季の移ろう時の流れが感じられる。▼行く春の俳句 行春を近江の人とおしみける 松尾芭蕉▼ゆく春の俳句 行春や臥処に及ぶ月円か 西崎佐知▼行春の俳句 行春や昔を偲ぶ旅の佐渡 土井木賊▼春がゆくの俳句 双塔の一基覆はれ春は逝く 稲福昌一▼行春の俳句 行く春や肩を抱きあふ石仏 松山寿美▼ゆく春の俳句 行春の一期一会の別れかな 川上真太郎▼行く春の俳句 行春や文字の薄れし芭蕉句碑 田中雍子▼行春の俳句 行春や机上にありぬ外れくじ 川崎孝二▼行春の俳句 行春や古都一望の二月堂 佐藤美和子▼逝く春の俳句 逝く春の美山に保存民家訪ふ 山本とも江▼行く春の俳句 行春やこけし人形おちょぼ口 石崎そうびん▼行く春の俳句 新しき暮しに慣れず春の行く 吉野濃菊▼行く春の俳句 行春の心に留む事ありし 岩本幸子▼行く春の俳句 萱葺の文化を守り春の行く 奥田不二子▼行く春の俳句 退院を信じておりし春の逝く 保坂道子▼行く春の俳句 行く春や返す小波に歩を合せ 樋口千恵▼行く春の俳句 行春の雨にも風情かもしけり 山本宏子▼行く春の俳句 行春や庭の彩り地味になり 山中明石▼ゆく春の俳句 ゆく春は大河の如くゆるやかに 野田ゆたか