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[季節] 仲春を主に三春(3月を主に2月から4月)地理季題

[季題] 山笑ふ(やまわらふ/やまわらう)

[副題] なし
 
 
 中国の漢詩集「臥遊録」に「春山澹冶而如笑(春山淡冶にして笑うが如く)・夏山蒼翠而如滴(夏山蒼翠にして滴が如く)・秋山明淨而如粧(秋山明淨にして粧ふが如く)・冬山慘淡而如睡(冬山惨憺として眠るが如し)」とある。

 その一節の「春山淡冶にして笑うが如く」からとられた季題。

 春山淡冶にして笑うようだと擬人化した言葉。

 季題から春の山の草木が一斉に若芽を吹いて明るい感じになるようす。
 
 春の山の明るい感じが連想される。
 
 
 同漢詩から「山笑う」のほか、次の季題が生まれている。
 
  山滴る(夏山蒼翠而如滴)←仲夏(7月)を主に三夏
 
  山粧う(秋山明淨而如粧)←仲秋(10月)を主に三秋
 
  山眠(睡)る(冬山慘淡而如睡)←仲冬(12月)を主に三冬
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山笑うの俳句 March 清月俳句歳時記/野田ゆたか編 3月の地理俳句のページです。haikusaijik・inoda・yutaka例句は有季定型の伝統俳句から抽出しています。編者はインターネット俳句・清月の主宰です。[季節] 仲春を主に三春(3月を主に2月から4月)  地理季題[季題] 山笑ふ(やまわらふ/やまわらう)[副題] なし。中国の漢詩集「臥遊録」に「春山澹冶而如笑(春山淡冶にして笑うが如く)・夏山蒼翠而如滴(夏山蒼翠にして滴が如く)・秋山明淨而如粧(秋山明淨にして粧ふが如く)・冬山慘淡而如睡(冬山惨憺として眠るが如し)」とある。その一節の「春山淡冶にして笑うが如く」からとった季題。枯れ色に鎮まった冬の山を眠るようだと擬人化した言葉。季題から、春の山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになるようす、春の山の明るい感じが連想される。 同漢詩から「山笑う」のほか、次の季題が生まれている。 ▼山滴る(夏山蒼翠而如滴)←仲夏(7月)を主に三夏 ▼山装う(秋山明淨而如粧)←仲秋(10月)を主に三秋 ▼山眠(睡)る(冬山慘淡而如睡)←仲冬(12月)を主に三冬<例句>・山笑うの俳句 伐採の谺返して山笑ふ 村上唯志・山笑うの俳句 紺碧のダムに逆さの山笑ふ 西崎佐知・山笑うの俳句 銀閣寺銀なく寂びて山笑ふ 土井木賊・山笑うの俳句 縁日の出店の匂ひ山笑ふ 吉井竹志・山笑うの俳句 阿武隈の水音定か山笑ふ 南部静季・山笑うの俳句 言訳は全部嘘です山笑ふ 林雄次郎・山笑うの俳句 護摩火守る消防隊や山笑ふ 若林柾矢・山笑うの俳句 完成の隧道腹に山笑ふ 稲福昌一・山笑うの俳句 脱サラの田舎暮しや山笑ふ 姉歯義ひろ・山笑うの俳句 どの山もお多福顔に笑みにけり 長嶺勇・山笑うの俳句 山笑ひ始めて道路工事終ゆ 秋山英身・山笑うの俳句 遠山の起伏重ねし山笑ふ 松山寿美・山笑うの俳句 露天湯に浸れば四方の山笑ふ 西村舟津・山笑うの俳句 産直の朝のにぎはひ山笑ふ 池下よし子・山笑うの俳句 吊橋を引っぱり合ひて山笑ふ 伊藤悦子・山笑うの俳句 山笑ふ土と語りて堆肥ふる 阿部和雄・山笑うの俳句 模す盧山萌黄色して笑ひけり 奥田不二子・山笑うの俳句 山笑ふ周到の杖忘れ来て 吉野濃菊・山笑うの俳句 乾坤のけぶり里山笑ひけり 山本青水・山笑うの俳句 村おこす事業見守り山笑ふ 岩井純子・山笑うの俳句 足湯しつ話こもごも山笑ふ 吉本昌女・山笑うの俳句 飛行雲伸びゆく彼方山笑ふ 及川輝子・山笑うの俳句 改築のなりし木津駅山笑ふ 池末あけみ・山笑うの俳句 蔵王山笑ふ地肌を見せはじめ 山口丘刀・山笑うの俳句 大伽藍腹に抱へて山笑ふ 川上真太郎・山笑うの俳句 笑ふ山石の櫃をふところに 辻多津子・山笑うの俳句 待望の曾孫賜はり山笑ふ 能口和子・山笑うの俳句 舌の根が見えてゐるほど山笑ふ 橋本幹夫・山笑うの俳句 少しづつ明るさ増して山笑ふ 山口美琴・山笑うの俳句 奔放の鹿に春日の山笑ふ 塚本 操・山笑うの俳句 山笑ふ土佐のは杉の山 久保田昌子・山笑うの俳句 母許や空気の甘く山笑ふ 津田喜美・山笑うの俳句 子規庭に望めば三笠山笑ふ 水野恵以・山笑うの俳句 国宝の聖廟抱き山笑ふ 近藤清女・山笑うの俳句 薬草をあまた蔵して山笑ふ 田川 栄・山笑うの俳句 ふっくらと.雨に背伸びの山笑ふ 加藤ひかり・山笑うの俳句 マラソンの吾子しか見えず山笑ふ 岸野幸子・山笑うの俳句 湖に時つ比良の山笑ふ 橋本正勝・山笑うの俳句 三笠山笑ふを指呼の句座にあり 山本とも江・山笑うの俳句 勇退の悲喜こもごもを山笑ふ 森田勝彦・山笑うの俳句 よき目覚め窓に生駒の山笑ふ 野田ゆたか