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[季節] 仲春を主に三春(3月を主に2月から4月)天文季題

[季題] 陽炎(かげろふ/かげろう)

[副題] 糸遊(いという/いとゆう)
 
 
 日差しが強く風が弱い日に遠くのものがゆらゆらと揺れて見える現象をいう。
 
 強い日差しで熱せられた地面からは暖まった空気が上昇しそこに冷たい空気が入り込みます。

 温度が違う空気ではそこを通る光の屈折も違ってくるので揺らいで見えるというのが原理です。
 
 陽炎は、夏の海辺や湖岸で最も多く見られるが俳句では陽炎にはいかにも麗らかな趣があり伝統的に春の季題として詠まれる。
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陽炎の俳句 March heat haza 清月俳句歳時記/野田ゆたか編 3月の天文俳句のページです。haikusaijik・inoda・yutaka例句は有季定型の伝統俳句から抽出しています。編者はインターネット俳句・清月の主宰です。[季節] 仲春を主に三春(3月を主に2月から4月)天文季題[季題] 陽炎(かげろふ/かげろう)[副題] 糸遊(いという/いとゆう)日差しが強く風が弱い日に遠くのものがゆらゆらと揺れて見える現象をいう。強い日差しで熱せられた地面からは暖まった空気が上昇しそこに冷たい空気が入り込みます。温度が違う空気ではそこを通る光の屈折も違ってくるので揺らいで見えるというのが原理です。陽炎は、夏の海辺や湖岸で最も多く見られるが俳句では陽炎にはいかにも麗らかな趣があり伝統的に春の季題として詠まれる。<例句>・陽炎の俳句 丈六に陽炎高し石の上 芭蕉・陽炎の俳句 野を来る列車の揺れて陽炎へる 稲福昌一・陽炎の俳句 風戦ぐ水陽炎の浮見堂 松山寿美・陽炎の俳句 三山を置き国中の陽炎へり 西村舟津・陽炎の俳句 陽炎ひて待人高く手を振れる 林雄次郎・陽炎の俳句 大屋根の大小の石陽炎へり 岡村紀洋・陽炎の俳句 蔵王の裾むらさきに陽炎へる 姉歯義ひろ・陽炎の俳句 石佛のいま陽炎を光背に 門田窓城・陽炎の俳句 坂上の陽炎なかに車現る 土井木賊・陽炎の俳句 陽炎や街並み消えて瓦礫山 南部静季・陽炎の俳句 陽炎や欠けしかわらけ古代跡 宇都宮美智子・陽炎の俳句 風あれど陽炎の野の明るさに 近藤清女・陽炎の俳句 陽炎や大きなランドセルが行く 長谷山順江・陽炎の俳句 陽炎の中を蛇行の列車消ゆ 布野壽・陽炎の俳句 陽炎の十勝沖より船帰る 和泉清一・陽炎の俳句 陽炎の中より犬の駆け寄りぬ 竹中三津子・陽炎の俳句 陽炎やレンズの焦点きめがたく 土舘イサ・陽炎の俳句 太陽の塔の広場の陽炎へる 伊藤悦子・陽炎の俳句 藁屋根に陽炎立てる里の家 橘川重・陽炎の俳句 大溝に立つ陽炎の城趾かな 橋本正勝・陽炎の俳句 陽炎や姿崩るる竹生島 古川春美・陽炎の俳句 陽炎の燃ゆる古刹の石畳 戸本文雄・陽炎の俳句 散策の行く手の景の陽炎へる 山口丘刀・陽炎の俳句 陽炎へる宮趾に電車通り過ぐ 山田行恵・陽炎の俳句 発掘の柱穴に人陽炎へる 市原遊亀・陽炎の俳句 山と山つなぐ吊橋陽炎へる 松宮育子・陽炎の俳句 陽炎や堂のゆれいる法の池 松葉律子・陽炎の俳句 陽炎に腰をおろして憩ひをり 森島緋紗江・陽炎の俳句 陽炎や引汐岩に人動く 川口善美・陽炎の俳句 会釈せし人の名忘れかげろへり 野田ゆたか・陽炎の俳句 陽炎やペタル踏む娘の颯爽と 前川嘉風 陽炎に揺れてローカル電車行く 渡邉春生