02-a-09
007.gif
[季節] 初春(2月)         時候季題

[季題] 余寒(よかん)

[副題] 残る寒さ(のこるさむさ)

 
 寒明後の寒さ。
 
 春寒には春でありながら寒いという印象があるのに対し余寒には寒が明けてもなお寒さが残っているという気分がある。
 
 「冴返る」「春寒」と同意であるが語感の微妙な違い「冴返る」には寒さが戻った・「春寒」はすでに春になったのに寒い・「余寒」は「なお残っている寒さ」といった意で詠まれる。
次へ
次へ
先頭へ
先頭へ
余寒の俳句 清月俳句歳時記2月の俳句のページです。noda yutaka haiku 例句は、現在作句活動中の有季定型伝統俳句の歳時記です。編者野田ゆたかは、平成22年1月現在、インターネット俳句「清月」を主宰しています。大阪清月庵 大阪府枚方市 京都清月庵 京都府木津川市 [季節] 初春(2月)時候季題 [季題] 余寒(よかん) [副題] 残る寒さ(のこるさむさ) 寒明後の寒さ。春寒には春でありながら寒いという印象があるのに対し、余寒には寒が明けてもなお寒さが残っているという気分がある。 「冴返る」「春寒」と同意であるが、語感の微妙な違い、「冴返る」には、寒さが戻った。「春寒」は、すでに春になったのに寒い。「余寒」は、「なお残っている寒さ」といった意で詠まれる。 ▼寺余寒の俳句 寺余寒重文の部屋多くして 西崎佐知 ▼浜余寒の俳句 忘れ潮テトラポットの浜余寒 吉野濃菊 ▼煙余寒の俳句 直角に油塔の煙余寒なほ 門田窓城 ▼暗き余寒の俳句 酒蔵の昼なほ暗き余寒かな 松山寿美 ▼余寒の俳句 陶房に日がな余寒の轆轤蹴る 村上唯志 ▼余寒の俳句 奈良町の懐古の情や余寒尚 西村舟津 ▼館余寒の俳句 煉瓦古る元司令部の館余寒 高橋泉也 ▼潜む余寒の俳句 本堂の広さに潜む余寒かな 辻多津子 ▼残る余寒の俳句 指先に残る余寒をポケットに 林 雄次郎 ▼余寒の俳句 鳶鳴ける比叡颪と言ふ余寒 森本恭生 ▼余寒の俳句 坐禅組む僧に余寒のありにけり 橋本照子 ▼余寒の俳句 大講堂百畳敷の余寒かな 栗林清瑶 ▼余寒の俳句 ウォーキング夫を連れ出す余寒かな 古川春美 ▼余寒の俳句 列島を襲ふ余寒や出不精に 山本宏子 ▼余寒の俳句 余寒なほ手焼煎餅よく売れて 祝田五郎 ▼部屋余寒の俳句 幕末の志士密談の部屋余寒 迫間喜美子 ▼余寒の俳句 温泉の湯気の中にも余寒あり 八島厚子 ▼余寒の俳句 懐中にキャラメル遊ぶ余寒かな 金城博之 ▼余寒の俳句 躓いて己が歳知る余寒かな 駒田暉風 ▼酒蔵余寒の俳句 海見ゆる町の酒蔵余寒なほ 野田ゆたか