平
成
八
年
一〇
月
1996/10
とろろ汁
10月の俳句。野老の俳句 とろろ汁茶碗の足りぬ頭数。酢橘の俳句 宅配の品は見ずとも酸橘の香。身に入むの俳句 身に入むや踏切脇の手向花。秋深しの俳句 抜道に入りて嵯峨野の秋深し。秋風の俳句 巨神戦いま秋風の通りけり。秋の雲の俳句 秋雲を背に救助劇進行す。木の実の俳句 秋篠やどこかで木の実落つる音。清月庵主 野田ゆたか。